王子様なんて (ページ15)

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〈JK side〉

『ヒョン、テヒョニヒョンどうにかしてよ。
あのヒョン全然帰らせてくれなかったんだけど。』

なんて店に戻り、エプロンをかけながら、
テヒョニヒョンに無理やり配達させられ、しまいには
グギ〜行かないでえ〜なんて帰るのを邪魔されたことをジミニヒョンに愚痴る。

〈まあまあ。テヒョンも仕事大変なんでしょ。〉

親友をフォローするジミニヒョンを横目に、
さっそく仕事に取り掛かる。

アイスコーヒーとオレンジジュース、か。
簡単で助かる。なんて思ったのも束の間、ジミニヒョンが
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら小声で、
グギ、と呼んでくる。

『……なんですか、気持ち悪い。』

〈この間のカフェラテの子来てるよ。ﾆﾔﾆﾔ〉

その言葉に、店内を見渡すと、

……いた。この間の、カフェラテの人。

気になっていた訳じゃない。
あの日はいつもと違うことをしたから覚えていただけだ。

今日は割と空いてる日で注文も1つのみ。
2人のテーブルにはまだ何も届いていない。

『ヒョン、この注文あそこの？』