王子様なんて (ページ34)

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〈JK side〉

昨日、Aの家を出てから、気持ちを落ち着かせるため、早足で家に向かっていたが、
あの様子だと、明日は二日酔いだろうな、と考えて、
家に帰る道を引き返す。

Aの家の近くに、24時間やってるドラッグストアがあった気がする。

そこでいろいろ必要になりそうなものを買って、Aの家のドアノブに袋を引っ掛ける。

スマホを確認してみると、さっき送った俺からの、
勝手に部屋に上がったことを詫びるメッセージにはまだ既読はつけられていない。

……寝てる、か。

追加のメッセージだけ送っておく。

多分、いや絶対、覚えてないんだろうなぁ。

俺だけが覚えている事実を、
酔っ払ってた、で終わらせてほしくない。
何かしら気持ちがあっての行動だと信じたい。

納得のいかない頭をガシガシと無造作に掻きながら
二度目のAの家を後にする。