王子様なんて (ページ40)

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〈……どこの馬の骨かもわからない野郎と寝れるくせに？〉

なかなか辛辣な親友だ。
それは以前の私であって、今はそんなことしてない、とでも反論したいが、本当のことではあるため何も言えない。

〈……ジミンさんが言うには、ジョングク休みの日は寝てるか、ご飯食べてるか、ジム行くか、ぐらいだってさ。〉

やれやれ。と、ミンジが言うそれは、
特に予定ないみたいだし、Aでも誘えるでしょ？という意図が込められていることにはもう気付いている。

仕事中の彼を覗きみる。
不思議な顔をして、こちらを見てくる彼を気にしながら、ミンジに口を開く。

「……なんて言えばいいの。」

そこからは、ミンジのアドバイスを聞いて、あれよあれよと昼休みが終わる時間に。
そろそろ行こっか、なんて心の準備もままならない私に声をかけるミンジ。

……今だけは入り口の方に行きたくない。

ゆっくり腰を上げると、ミンジはもうすでにカウンターの方へ。

あぁ、頑張れ私。
己を奮い立たせて、グクの目の前に立つ。

どうか、良い返事でありますように。