Seokjin side ページ6
「じんにょぉんっ」
テヒョンは飲みの席の無礼講とばかりに、後ろから覆い被さるように乗っかってきて俺の体を揺らす。
ワイン一杯で、この出来上がりだ。
いや、酒とか関係なくいつも通りの振る舞いか。
「しんどいから体揺らすなよー。ヒョンの体潰れちゃうよ」
「んへへっ」
既に真っ赤になった蕩けた顔を向けてくる。
「仲良くて泣きそうっ。テヒョンイもヒョンも可愛いね〜」
更にその上から、酔って泣き上戸ぎみのホビが重なってきたから本当に潰れそう。
なんとなくテヒョンの腕が首に回され、締まっていくような。
苦し…。
あれ？なんか恨みを買うような事したっけ？
「殺゛しにかかってる？」
「かかってるーっ！」
俺が苦しそうな声を出してもテヒョンは気にせず嬉しそうに高らかに答えた。
「そっか……殺す気なんだ」
そんな呟きも届かず、二人はキャッキャとはしゃいで左右に揺れる。
「少しは老けろー！」
ホビの声に釣られるように、
「肩幅お化け」
「胃袋がザル！太れっ」
ジョングクとジミンまで罵声を飛ばしてきた。
ひどい言われようだ。
あれ？俺、長男なのにな。
そんな俺の隣で我関せずと静かにグラスを傾けるユンギが羨ましい。
「二人とも、ヒョンには長く頑張って貰わないといけないんだから、その辺で」
ナムジュンが二人を手招きしてくれたから事なきを得た。
飲みも進んでくると体が熱くなってきたから、着ていたパーカーを脱いでその辺に置く。
その時、隣に座るジョングク越しに見えたAさんは、飲むペースが早く見えた。
ジミンに無理に合わせてるんじゃないかって、心配して見てたら案の定呂律が回っていない。
「また同じの作る？」
『ありがとーございます。
ところでジミンさん、このお酒を作るの慣れているよぉに見えますねぇ』
「そう？」
『よく女の子に作ってあげてるんですかぁ？』
「“男の子”に！作ってあげてるよー？」
困り顔のジミンの肩が強張った所を俺は見逃さなかったよ。
俺と同じで、発言の真意を疑うように片方の眉を上げたジョングクと目が合えば、言葉を交わさずとも同じ事考えてたのが分かって、二人して鼻に皺を寄せ笑い合った。
それがジミンにバレて、
「そこの二人！悪い顔してるよっ」
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作者名：lia | 作成日時：2024年4月15日 18時
