アンドロイドな君と【JN】 (ページ19)

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結構、俺はドライな方だから、感動したりってあんまりなかったんだけど、その時のAの歌と声を聴いて、一気に世界に引き込まれてしまった。

それから、彼女がいる時間帯になれば、時間見つけてそこに通うようになって。

一応アイドルという職業だから、大々的にそこに見に行くことはできなくて、本当に影から見守る感じ。

時間が経って、ＣＤ作りましたなんて言った時には、誰よりも一番にマネージャーにお願いして買いに行ってもらったし、こっそりお花送ったりして。(もちろん俺の名前は伏せてね)

そして縁があって、うちの事務所に面接に来たとマネージャーから聞いて、飛び上がって喜んだ。

そのころから、もうメンバーには俺には推しがいると公言しまくって。

練習生として事務所に正式に入ったと聞いて、これから、もっともっと仲良くなって、先輩と後輩として付き合っていければと思っていた俺の気持ちは、いつの間にか、俺が思っていたものとは違うものに変化していった。

『よろしくお願いします』

彼女が、メンバーと話しているだけで、渦巻く黒い感情。

それが嫉妬だなんて、信じたくなかった。

誰よりも君のことを知っているのに、知らないフリをしたりして。

俺って、サイコパスなのかな？